潮: 「『タイド&エコー』のジャケットで初めて撮影を体験して、そのときに、
私は自分が心から身を任せられる人に撮ってもらいたいんだなという風に思ったんです。
もともと写真を撮られるのが得意じゃなかったのもあって…それで翠れんの写真に出会って、
この人ならと思ってお手紙を書いたんです。まだお互い何も知らないときに」
翠: 「この前、部屋を整理していたらそのお手紙が出てきたんだよ!
まだ出来上がってない歌詞のコピーが入っていました。
それが“うたのかたち”に入っている曲の歌詞になったのかな。
それと“うたのかたち”のCD-R。とても丁寧な自己紹介が入っていたのを覚えてる。
キリンのイラストの便箋に書いてあった」
潮: 「そうだっけ!?あ、思い出したよ。すごく緊張して手紙を書いた!」
翠: 「私もすごくどきどきしながら読んだよー!ジャケットの撮影のお話も初めてだったし」
---翠れんちゃんは潮音ちゃんの曲を初めて聴いてどんな印象だった?
翠: 「遠くに感じたな…。私も写真は撮っていたけど
自分の中にはまだ完成していないものの塊があちこちにある時期だったから。
潮音ちゃんが送ってくれた曲と歌詞を自分ではすぐに解きほどくことができなくて、
だから何度も何度も聴いたのを覚えています。
まだ潮音ちゃんの顔を知らないから“どんな人なんだろう”と想像していました。
でも、本人が自分で手紙を書いて私に送ってくれたことがすごく嬉しかった。
それで電話したのかな」
潮: 「その電話を私は荻窪駅のホームでとったの。電車に乗ろうとしていたときで、
“あ、東野さんからだ”と思って電車を降りた。よく覚えてる、そのときのこと」
---もう発売されていた『タイド&エコー』じゃなくて、
作っている途中の『うたのかたち』を送ったのはどうして?
潮: 「『タイド&エコー』はカヴァーアルバムで、『うたのかたち』からは
自分で曲を書き始めてもいたし、何か新しいことが始まっていたから、
それを見て欲しいという気持ちが強かったんだと思う。
自分でジャケットのことを考えるようになっていたし、
ひとつひとつを自分で決めていきたいと思っていたんじゃないかなぁ」
翠: 「そうかも。撮影の打ち合わせのとき、潮ちゃんはいろんなことを
はっきりとお話してくれていた気がする」
潮: 「そう?何か、初めて会ったときのことがぼんやりしていてよく覚えていないな」
---二人ともお互いの作品のほうが印象的だったのかもしれないね。
そして“うたのかたち”のジャケットの撮影当日のそれぞれの気持ちはどうでしたか?
潮: 「私は不思議と肩に力が入っていなかったのを覚えてるよ。
何もないところから始めることにすごくわくわくした。」
翠: 「潮音ちゃんの撮影は初めてだったのに、友達を撮る気持ちにとてもよく似ていた気がする。
一緒にいて心地よかったのは覚えてる。ほら、潮ちゃんは可愛いでしょ?
だから、そのままの潮ちゃんを可愛く撮りたいって思った。
朝早い撮影で、高円寺の町を二人で歩きながら撮ったんだけど、
まだほとんどお店は開いてなくて、あちこちに閉まったままのシャッターの前で撮ったんだよね。
二人で街を渡り歩いていた」
潮: 「もしかすると今よりも自然だったかもしれない。
二人だけの撮影だったし、ただ無心に翠れんと何かを作ろうとしている感じだったよ」